当院では3月より体外衝撃波治療器を導入しました。今回の記事では体外衝撃波について、また体外衝撃治療が有効な疾患についてご紹介してきます。
◆ 体外衝撃波治療とは
体外衝撃波とは、患部に非侵襲的に衝撃波(圧力波)を送り、損傷した組織の修復促進、除痛を促す治療法です。もともと、外科の領域で、尿管結石や腎臓結石などの体内に発生した結石を破砕するための技術として用いられていましたが、近年では、整形外科疾患の治療としても応用され、難治性の足底腱膜炎の治療を代表例として導入されてきました。
体外衝撃波治療器は原理により、主に、収束型圧力波治療器、拡散型圧力波治療器に大別されます。当院で導入している拡散型圧力波治療器ショックマスターは収束型圧力波治療器に比べ、圧力波の及ぼす範囲が限局せず、拡散しており、浅層の筋や腱の治療に適した機器となっております。難治性の筋腱障害やスポーツ選手の筋腱付着部痛などの治療にも効果が期待できます。
◆ 体外衝撃波治療器の効果
①即時的な除痛効果
・患部の疼痛受容器である自由神経終末の破壊、再生促進による疼痛軽減効果
・痛みに関する神経伝達物質の減少による疼痛軽減効果
②長期的な効果
・慢性的に経過し、組織修復プロセスが停滞した患部の血管新生、組織修復促進効果
◆ 体外衝撃波治療器の適応疾患
・足底腱膜炎(足の裏、踵付近の痛み)
・アキレス腱炎
・アキレス腱付着部炎
・上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘:肘の内側の痛み)
・上腕骨外側上顆炎(テニス肘:肘の外側の痛み)
・石灰沈着性腱板炎(肩の痛み)
・脛骨骨膜炎(シンスプリント:すねの痛み)
・膝蓋腱炎(膝の痛み)
・疲労骨折
・筋筋膜性腰痛
※適応にならない場合もあります。詳しくは医師にご相談下さい。
◆ 治療の流れ
当院では医師による診断後、消炎鎮痛もしくは運動器リハビリテーションのなかで、拡散型圧力波治療器を用いた治療を行います。治療中は患部に直接圧力波を照射するため、痛みを伴いますが、次第に疼痛は軽減していきます。1回の治療時間は数分程度です。
拡散型圧力波治療器ショックマスターの治療を希望の方は一度スタッフにご相談ください。
執筆者: 理学療法士 小林 拓未