半月板損傷とは
半月板とは、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にある、クッションのような軟骨です。膝にかかる衝撃を和らげたり、関節の動きをスムーズにしたりする大切な役割があります。内側にある半月板を内側半月板、外側にある半月板を外側半月板といいます。
何らかの原因で半月板が損傷してしまうことを半月板損傷といいます。
主な原因
- 急な方向転換、ジャンプの着地などの膝に負担がかかる動作
- 加齢による半月板の変性
症状
- 膝の痛み(歩いた時や階段の上り下り)
- 膝の腫れ
- 膝の引っかかり、動かしにくい(膝がまっすぐ伸ばせなくなることもあります)
診断
診断には、膝の検査、レントゲン検査、MRI検査が用いられます。
当院には1.5T MRIがあるために、検査、診断可能です。
治療
治療は、損傷の程度や患者の年齢・活動レベルによって異なります。
保存療法(手術を行わない)
- 装具の使用、テーピング固定
- リハビリテーション
- 筋力強化による関節の安定化
1.急性期(受傷直後)
安静、アイシング
軽い可動域訓練(伸ばす・曲げる)
2.腫脹改善期(腫れの改善に合わせて)
筋トレ(膝関節の安定化に必要な筋力の回復)
3.復帰期(スポーツ復帰や再発防止)
ジョギングやステップ、ランジ、ジャンプ練習など
保存療法の注意点
違和感や膝の引っかかりがある場合は途中で手術を検討することもあります。
リハビリの継続と自己管理が必要です。
手術療法(関節鏡視下手術)
手術の方法は、損傷の部位や程度、医師の方針で決まります。
損傷した半月板を切除(切除術)、縫合(縫合術)します。
手術後は数カ月のリハビリが必要です。手術方法により、リハビリ内容が異なります。
1.半月板切除術
損傷部位を切除して整えます。
回復が早く、日常生活への復帰がしやすいです。
半月板を切除するため、将来的に関節の摩耗のリスクが高くなります。
切除術後のリハビリ目安
時期 内容
術後~2週 |
膝の関節可動域訓練、歩行訓練、痛み・腫れのコントロール |
2~6週 |
筋力訓練、ランニング |
6週~2か月 |
アジリティー訓練、ジャンプ |
2か月~ |
スポーツ復帰 |
*目安ですので、内容が変更になる事があります。
2.半月板縫合術
損傷部位を縫合して再生を促します。
半月板を温存でき、長期的に関節への負担が少ないです。
回復に時間がかかります。
縫合術後のリハビリ目安
時期 内容
術後~2週 |
ギプス固定 |
2週~2か月 |
膝の関節可動域訓練、筋力訓練、歩行訓練 |
2か月~4か月 |
ランニング、アジリティー訓練、ジャンプ |
4か月~ |
スポーツ復帰 |
*目安ですので、内容が変更になる事があります。
当院では半月板損傷の診察、検査、治療がすべて検討可能です。患者様の症状や状況に応じて、治療プログラムを組みます。
以下の方はご相談ください。
- 膝を捻って、半月板損傷が心配。検査をしてほしい。
- 半月板損傷と診断され、手術を検討中です。(院長による手術や近隣・希望病院への紹介も可能です。手術後リハビリも当院で可能)。
- 引退や最後の試合が近いので、まずは保存療法を行ってほしい。
- 地元で手術をして、三重県に転居したのでリハビリができる病院を探している(主治医の先生の紹介状が必要)
- 仕事が忙しいので手術ができない、まずは保存療法を行うために、装具の相談やリハビリを行いたい
膝の外傷、不安定感でお悩みの方は一度ご相談ください。
執筆者: 院長 森 隆